第19章 グリーンの看病
飲み終わったマグカップを、グリーンが私の手から取ってテーブルへと置くと、そのまま肩を抱き寄せ、おでこを合わせてきた。
「熱、やっぱりあるな」
たしかに、頭がぼーっとして身体が熱い。全身がだるくて呼吸すらしんどい。
「ん…そう、かな」
至近距離。グリーンが私の肩を抱いたままじっと見つめてくる。
何か言いたげに見えたので、首を傾げた。
「どうしたの?」
「いや、べつに」
「うつるよ?近いと」
グリーンは返事をせずに私の肩をそっと押した。抵抗する間もなく、背中が柔らかく沈む。
視界が反転して、天井を背にしたグリーンがまっすぐ私を見下ろしていた。
なんだか目つきが鋭い。
何か、機嫌を損ねるようなこと言ったっけ?言ってないよね?
「……グリーン?」
ちょっと不安になって、見上げながら名前を呼ぶ。すると、グリーンはどこか切なげに目を細めた。
「なんかさ、今のお前……」
「うん?」
グリーンの口がわずかに開き、続きを言いかけたところで、
「………わりい、頭冷やしてくるわ」
「え?」
グリーンはがくりと頭を下げてため息をつくと、そのまま立ち上がった。
「薬買ってくるから、いいこに寝てろよ?」
そう言い残し、パタンとドアが閉まった。