第4章 Ever green③
ライヤーさんの言葉が観客を更に盛り上げる。そして、勿体ぶるように喝采をしばし愉しんでから、高らかに手を空へ向けた。
「これより!決勝戦を開始する!」
わぁぁぁ!!と大歓声と共にスタジアムが揺れた。
「両チーム!バディを前方へ!」
4人が一斉にモンスターボールを投げ、ポケモン達が元気よく飛び出す。
サンダースもカメックスも、連戦でクタクタなはずなのに、そんな姿微塵も見せずに勇ましく咆哮する。
眼前には、百戦錬磨をくぐり抜けてきたであろうレッドのリザードンとリーフちゃんのフシギバナ。
威圧感を放つ2匹に対し、サンダースは物怖じせずに小柄な身体を震わせ、精いっぱい毛を逆立てて威嚇する。
ありがとうサンダース。誰よりも私がキミを信じてあげないと!
ライヤーさんが大きく息を吸い、手を前に突き出した。
「試合開始だ!!」