第4章 Ever green③
「なんて威力なの!」
リーフちゃんは悔しそうに拳を握りしめる。
メガカメックスはそのままリザードンへと向き直った。グリーンの指示が無くても、まるで、サンダースをかばうかのように。
「わかってんじゃねーか!リザードンにハイドロカノン!」
「ギャオオオオオ!!」
目にも止まらぬ早技で繰り出されるハイドロカノン。サンダースはこうそくいどうでハイドロカノンを避け、水圧砲がリザードンに直撃しかけたその時だった。
「フシギバナ!リザードンを守って!」
視界の端に閃光が走る。光の正体はリーフちゃんのバディーストーンだった。
リーフちゃんもバディーズわざを発動すると、床から突き出たツタが壁を形成し、リザードンの防御壁となった。
ハイドロカノンが壁に直撃し、反射して周囲に飛び散った。
メガフシギバナは得意げに、更にパワーアップした背中の大輪の花びらを風になびかせている。
突然、メインスタンドからライヤーさんの怒鳴り声が聴こえてきた。
「おのれキサマら…!オレ様のスタジアムを好き勝手ボロボロにしやがって!」
「でもライヤー様ぁ、お客さん大喜びですよー?」
「若!壊れたらまた直せばいいんです。こんなに面白い試合滅多にお目にかかれませんよ」
チェッタさんとドリバルさんの言葉の後、ライヤーさんはスタジアムを見渡した。観客達の様子を確認すると、腕組みをして後ろに下がる。
「フン、お前たちは観客が怪我をしないよう見張っておけ」
「ほいさ!」
「はい!」