第4章 Ever green③
「なんだよ。これぐらいで照れてんのか」
気づけば分かりやすいくらいに顔が赤くなっていた。
「ち、違う。飛ぶのが怖いっだけ……ぇええ……っ!?」
唐突に力が抜けて膝がガクンと落ちた。
原因はまたしても彼の悪戯だ。指で手のひらをくすぐってきたのだ。
尻餅をつく私を見て、グリーンはお腹を抱えて笑い出す。
怒りと羞恥で更に顔が熱くなる。
「ねぇ!落ちたらどうするの!」
グリーンは無駄にかっこつけてウインクを返してきた。
「緊張をほぐしてやったんだ。感謝しろよな」
「余計に緊張するよ!だって今見ちゃったもん!崖の下!」
「えーっと、お取り込み中悪いけど、そろそろ次の人来ちゃうヨ?」
フウくんの言葉にハッと我に帰った。
そうだ。グリーンの嫌がらせに時間を割いている場合ではない。
立ち上がり、服についた砂埃をはたき、視線を前に向けた。
「右が⚪︎×⚪︎×で赤、緑、青、赤、左が×⚪︎×⚪︎で青、青、緑、赤だから、はじめは右が緑の時飛んで次は…」
「オレが合図する。だからナナはタイミング合わせるのに集中しろ」
「今度はふざけるのなしだよ!絶対にタイミング合わせてよねっ!」
「だからっナナが合わせるんだよ!」
相変わらずな私たちに、双子ちゃんが顔を見合わせ苦笑している。