第4章 Ever green③
そんな記憶の中の3人に手を振り、現実(いま)へと帰る。
「赤はほのお、青はみず、緑はくさ…」
グリーンを見つめながら続ける。
「⚪︎と×はポケモンの相性で、⚪︎のタイルは有利、×のタイルは不利になるようにタイミング合わせて飛び移る、で合ってる?」
「ようやくわかったか」
「3人を思い出したら解けたんだ」
そう伝えると、グリーンは不思議そうに首を傾げた。
「まぁ話は後だ。行くか」
グリーンが手を差し伸べてくる。
指先が軽く触れ合うと、それだけで胸の鼓動が高鳴る。
戸惑う指先が強引に引き寄せられる。
なんだか不思議な気持ちだ。
子供の頃は、手なんか繋いだことなかったのに。
それなのに、気持ちは子供に戻ったみたいに、グリーンに甘えたくなってしまう。
手を繋ぐだけではなく、もっと触れてほしくなる。
抱きしめられた甘い記憶に胸が痛くなる。
グリーンは慣れているのかもしれないけれど、私には刺激が強すぎる。
こんな時に何を考えているんだろう。手を繋いだだけで、どうしてこんなに意識してしまうんだろう。
妄想をしている場合ではないのに、胸の鼓動はおさまらない。