第4章 Ever green③
「その余裕そうな顔はもしかして…」
「もう解けた。天才だからな」
グリーンは当然だとでも言いたげに、口の端をつり上げる。
「教えて!はやくはやく!グリーンさま!」
「しょうがないな、このグリーンさまが………なんて言うと思ったか!訓練も兼ねて自分で考えてみろ!ジムでこういうの多いだろ」
「う…そうだけどさぁ」
案の定、おだてても簡単には教えてくれなかった。
ポケモン勝負もだけど、やっぱりグリーンって変なところストイックで真面目だ。
「制限時間は次の挑戦者が来るまでな」
渋々頷き、タイルの前へ進む。
光る順番にヒントがないか観察してみることにした。
「右側が赤の時、左は青、その次は…」
左右に4つずつ連なるタイルは、一見不規則に見えても、それぞれ色の順番は決まっているようだった。
右側が赤、緑、青、緑、反対側は青、青、緑、赤。
4パターンを規則正しく繰り返している。
タイミングをずらして同じ色のパネルに飛び乗るのはハズレだったみたいだし、一体何が正解なのだろう?
解をいくつも考えては打ち消し、されど確信には辿り着けず、時間ばかりが過ぎてゆく。
遠くから足音が響いてくる。次の挑戦者が来てしまう。
「ああもうっ!分からないっ!」
半ば不貞腐れて洞窟を仰ぐと、視界になにか光るものが映った。
「ん?」
顔を上げたまま凝視する。
足場となるそれぞれのタイルの真上に、シーリングライトのような円形の光る照明が、頭上からうす暗い光を放っている。
まるで、タイルの眩さに隠れるようにひっそりと。
丸い灯りの中心には、⚪︎と×がそれぞれ交互に描かれている。交互にというのは右が⚪︎×⚪︎×で、左が×⚪︎×⚪︎ということなんだけれど…
「それに気づいたならもう分かるだろ?」
グリーンが話しながらこちらに向かい歩み寄ってきた。
どうやらヒントは頭上にあったようだ。