第4章 Ever green③
「い、今の悲鳴…」
「落ちた。脱落だ」
グリーンが視線を向けた方角を目で追うと、崖下から2つの人影がふわふわと浮かび上がってきた。
怪我をしている様子はないものの、2人とも泡を吹いて気絶している。
そんな2人を、ルナトーンとソルロックがサイコキネシスで浮かべながら、洞窟の入り口へと運んでいく。
なんて恐ろしい…。
冷や汗を拭いながら胸中で呟く。
グリーンの言う通りだった。
安易な考えでタイルに飛び乗れば、何も残せないまま終わってしまう。
そんなのきっと一生後悔する。
絶対の絶対に嫌だ。
「さ、次はおにーちゃんおねーちゃんの番!」
トコトコと双子が近づいてきた。
「がんばってね!」
ランちゃんが後ろ手を組んで上目遣いで見つめてくる。
「うん!ありがとう」
そんな可愛いランちゃんに向かい明るい声で返す。
「ノーヒントだけどね!」
「そ、そうだよね」
まるでこちらの心を読んでいるかの如く、間髪を入れず答えるフウくんに、引き攣った笑顔を向けた。
臆病な気持ちを無理やり鼓舞しながら前方に目をやると、消えていたタイルがまた出現し、不規則な順番で赤、青、緑色に光り始めた。
いやきっと不規則ではなく意味があるはず。
唸りながらタイルの光を睨む。
「ねえグリーン」
相談しようとグリーンの方を向くと、彼は腕を組み、近場の岩に腰掛けて得意げな顔でこちらを見ていた。