第4章 Ever green③
ひょいとフウくんが目の前にやってきた。
「ごめんねおにーちゃんおねーちゃん。答え見えちゃうからちょっと隠すね!」
頷いて返事をすると、フウくんがソルロックをこちらへ連れてきた。
「ソルロック。ひかりのかべ!」
突然目の前にひかりのかべが現れ私たちを囲む。
その眩しさに思わず目を伏せる。
「こりゃ相当な目眩しだな」
グリーンが眉根を寄せて呟いた。
眩しくて前方は見えないものの……
「なんだこんなの、同じ色を踏んで先に行けばいいんだろ」
目を閉じていると男の子の声が聴こえてきた。
見えない代わりに、微かに聴こえる会話に聞き耳を立てて様子を伺ってみる。
「でも左右で順番バラバラじゃない?間違えたら失格って言われたわよ?」
「そしたら、僕が先にタイルを踏んで待ってるから、君は色が揃うまで待てばいい」
「そっか♪楽勝ね!」
男の子はどうやら、私と同じ答えを導き出したようだった。
「あの…フウくん、ごめんだけど丸聞こえかもしれない」
愛らしい双子に対する罪悪感で、思わず伝えてしまった。
フウくんはバツが悪そうに頬を掻く。
「えへへ、次に来た人は入り口まで飛ばしちゃお」
かわいく言っても内容は全然可愛くない。
抜かされたのは納得がいかないものの、入り口まで戻されず、まだここにいられるだけマシかもしれない。
だけど、このままあの2人がクリアしてしまったらと思うと、なんだかモヤモヤしてくる。
あの時言い争ってなければなぁ。
ため息をこぼし俯いた。
「そう焦るなって。焦るとあいつらみたいになるぞ」
「あいつらみたいに?」と聞き返し顔を上げた瞬間、カップルの悲鳴が洞窟内に響いた。
ひかりのかべは消え、前方に2人の姿はもうなかった。