第4章 Ever green③
小競り合いを始める私たちを見て、双子ちゃんはキョトンとしている。
「うーんあの2人息ぴったりなようでぴったりじゃない?」
「僕とランも喧嘩するでしょ?喧嘩するほど仲がいいのかも?」
双子ちゃんが何か話しているけれど、そんなことお構いなしに揉める私とグリーン。
そこへ、後ろから1組のペアが走ってやってきた。
エリートトレーナーの格好をした男の子と、ミニスカートを履いた女の子の2人組だ。
お揃いの指輪をつけているのでおそらくカップルだろう。
新たな挑戦者が来ると、ゴールからフウ君とランちゃんがやってきて、私たちと同じ説明を機械のように繰り返し、またゴールへと戻って行った。
「キャッ!グリーン様だ!かっこいい〜」
挑戦者の女の子が、グリーンに気づきはしゃいで手を振ると、ペアを組んでいる男の子が嫉妬の表情を浮かべる。
グリーンはキザな笑顔で挨拶を返し、女の子の瞳をハートマークにさせた。
彼氏であろう男の子はいい気はしないだろう。私もそうだから気持ちはよく分かる。
「立ち止まってるなら僕らが先行きますよ」
男の子は苛立った足取りで私たちの横を通り過ぎ、光るタイルに向かって行った。
「あーもぅ、待ってよ!」
女の子が後に続く。
「ちょっと!順番守ってください!」
順番を抜かされて、私の声に焦りが混ざる。
だけど、男の子は歩みを止めない。
「ボーっとしてたのはそっちだろ!予選勝ち抜きは先着だから試練も早い者勝ちだ」
「別にかまわねーけど気をつけろ。落ちれば失格だぞ」
グリーンの忠告を無視して男の子はズンズン進む。