第1章 はじまりの感動 ⚠Re:vale過去のネタバレ含み
俺はユキさんに近づいた
ユキさんの放つオーラに少し引いてしまう
そのオーラには悲しみだけではなかった
孤独、絶望、苦しみが放っていた
今にも一人にしてくれと言いそうなオーラだ
それでも俺は意を決して彼に声をかけた
百「ユキさん…。バンさんのこと聞きました。」
千「そう…」
百「これからどうなるんですか…?」
千「解散だよ。バンさんはもういない。」
百「……やめないでください。俺はユキさんに続けてほしい。」
千「無理だよ。僕にはもうどうすることもできないんだ!」
ユキさんの放つ言葉は冷たかった
お前に何がわかると語っているかのようだ
ユキさんは誰よりも音楽が好きだ
誰よりも音楽を愛してるはずなんだ
それに俺はあんな形で終わるRe:valeを見たくない
俺の暗い心に差し込んでくれた一筋の光
それが失われようとしてるなら助けたい
なくしたくない
百「あんたまだ走れるだろ!バンさんのことは辛くても!バンさんは続けてくれって言ってるんでしょう!?」
千「うるさいなぁ…しつこい」
百「ユキさん、お願いだから辞めないでください!」
千「無理だ…!」
そう言ってユキさんは去ってしまった。
俺はまだ諦めない
ユキさんが諦めようとしてるなら諦めさせない
だって俺はサッカーをガッツリできなくなったんだから
俺はもう諦めるしか道が残されてなかったんだから
だからユキさんには諦めないでほしい
諦めたら諦めたでまた辛くなるのを知ってるから
俺はその日から毎日ユキさんに頼み込みに行った
千「一人で歌えるわけないだろう…!」
百「だったら俺が代わりに歌います!五年間だけ!バンさんと組んでいた五年間だけでいいんです!バンさん以上の時を俺は進みません!!」
千「その後は?」
百「相方を変えてもいいし、やめてもいいです」
千「バンの代わりなんかいるものか!お前なんかに!!」
百「お願いします!やめないでください!」
お前なんかにって言われた時心にグサッときた
確かに俺なんかがバンさんの代わりなんてなれない
そんなの分かってるけど
いざ言われると酷く心にくる
だけど俺はユキさんにやめないでほしい
それだけの一心で頼み込んだ
毎日…土下座までもしたんだ
俺はもっとかかると思っていた
三ヶ月以上はいくだろう
