第4章 ユキの問題
百side
ユキのスランプが発覚してから3日目の出来事だった
俺が事務所の部屋を通りかかった時声が聞こえた
ユキの声とレコード会社の人の声だった
俺は聞き耳を立ててしまった
レコード会社「ギリギリまで待ってみるよ。大丈夫なのかい?」
千「大丈夫です…」
ユキの蒼白した顔
その顔には悔しさが滲み出ていた
スランプは突然消えるものだ
一旦曲から離れたりとか
他者と遊んだりとかして心を癒すことが重要だそうだ
この3日間、ユキはよく夢にうなされている事が増えた
部屋に閉じこもっていることも増えた
俺がなんとか元気づけよう!そう思った
ユキのスランプの影響は仕事にも影響した
精神的にも追い込まれているのか
ユキはよく注意を受けることが多くなった
俺といる時だって上の空だ
百「ユキ、大丈夫?」
千「モモ…ごめん…」
百「あのさ…今日はどっかに出かけようよ。気分転換にさ。」
千「うん、いいよ。」
今日はユキの体調を考えておかりんが仕事を減らしていた
だからユキは午前で仕事はおしまい
俺もおかりんが調整してくれたおかげで同じタイミングで終えることができる
午後は二人して予定が空いているからゆっくりできる
俺が誘わなかったら絶対ユキは部屋にこもると思うからね
千「モモ…」
百「なに?ユキ。」
千「モモはこんな僕でも嫌いにならない?
スランプで曲が作れなくて情けないでしょ?
モモの思い描いているアイドルになろうとしてもなれなくて。」
百「俺はユキのこと大好きだよ!
別に俺はユキに理想のアイドルになってほしいわけじゃないよ。
ありのままのユキが大好きだよ!」
そう言って俺がユキに抱きついた
ユキは優しく笑って俺を抱き締めてくれた
今まで悩んでたのがバカバカしいなとユキがポツリと呟いた
ユキに俺の愛足りてなかったのかな
それならもう悩ませないように愛情をたくさん表現しなきゃ!!
愛するダーリンのためにね!
岡崎「事務所の廊下でイチャイチャしないでください。」
百「ごめんなさぁい!」
岡崎「仕方ないですね…お二人は。」
千「ごめんね、おかりん。」
岡崎「家まで我慢してくださいよ?お二人のこと公になったら大変なんですから。」
おかりんに怒られたけど
ユキが久しぶりに笑ってくれたからいいや!