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【アイナナ】一筋の光【ユキモモ】

第3章 はじめての問題


僕がハッとするとモモが驚いた顔をしていた

やってしまった…


千「モモ…ご、ごめん…」


その時モモが涙を流した

泣かせてしまった…

久しぶりに見たモモの涙

今度は僕のせいで泣いたんだ


百「なんで…そんなに、怒るの……」


その涙は途絶えることなく流れ続ける

モモの目には何が写っているのか

それは苦しさ、助けてと言いたそうな目だった

やっぱりなにかされていたんだあの男に

僕はモモに近づいて抱き締めた


千「ごめん…声を荒らげてしまった…」

百「ユキ…の、バカ…」

千「モモ、本当になにもされてない?」

百「……………」


黙るんだ…

だけど泣いているモモを見ると相当苦しめられたんだ

そんな顔をさせるあいつを許さない

僕はあいつの好きにはさせない

でも持ちネタがあるということは盗聴もされているのか?


千「わかった…モモが打ち明けてくれるまで何も言わないよ。」

百「ごめん…」

千「モモが謝ることじゃない。怒鳴ってごめん。」


僕はモモから離れてリビングに向かった

熱々だったお粥はちょうど良い温かさになっていた

僕はレンゲを持ってお粥をお盆の上に乗せた

そのまま寝室に持っていった


千「お粥持ってきたよ。」

百「ありがとう…」


僕はリビングに行った

モモなりに考えているんだと思うと何も言えない

モモのスマホ…勝手に持ってきちゃったけどなにか仕掛けはあるのだろうか

念の為電源を落としておいた


千「…許さない。モモをこんなに苦しめて……」


やり場のない怒りをどうしても抑えることができなかった

僕は気づけばワイングラスを床に叩きつけていた

その音に驚いたのかモモが寝室から顔を出した


百「どうしたの?」

千「ちょっと手が滑って割っちゃったんだ…気にしないでいいよ。」

百「大丈夫?怪我してない?」

千「大丈夫。モモは休んでて。」


モモが寝室に戻った

僕はガラスを片付けてから食事をした

一人での食事は寂しい

いつもモモがいたから楽しかったのに

同棲しても寂しい思いをすることだってあるんだ…

苦い…しょっぱい味がする

モモのことを考えすぎて焦がした料理は

とても苦くてしょっぱかった…
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