第2章 新しいステージ
あの後おかりんが手配してくれて
俺たちは住むことになったけど
家具とかは二人で出し合って買えたし
食品に関しても互いの冷蔵庫にあったものを出し合った
千「男と同棲を本気でしようと思ったこと初めてだけどね。」
百「俺もだよ。昔は貧乏で仕方なく住んでたって感じだったから。」
千「デビューしてから告白すればよかった?」
百「あの時はお互いにまだ抵抗してたと思うよ。自分たちがまさか同性を好きになるなんて。」
千「そうね。僕もあの日なら告白できなかったよ。」
まだあの日は恋だと気づいて間もなかった
だから互いに動揺してた
それに抵抗もあったし様子見してたと思う
まだ気持ちも浅かったから告白する勇気もなかったと思う
俺だってそうだったから
百「ユキと毎日一緒に寝られるね!」
千「そうね。こんなに広かったら落ちないだろうけど。」
百「しっかり抱き締めてね!」
千「当たり前じゃないか、モモ。離さないよ。」
そう言ってユキは俺を抱き締めてくる
ユキってこういう時イケメン……!
普段はデリカシー無くてよく喧嘩するけど
でもユキはシャイだからすごく可愛いところもある
そんなユキに俺は惚れたんだな!
千「モモ。キス…ダメ…?」
百「どうしても…?」
千「嫌?」
百「嫌じゃないけど……あのね、ユキ。俺別にユキとのキスが嫌なわけじゃないんだ。ユキの求めることに応えたいって思ってるよ。失礼なのは分かってるけどどうしても超えちゃいけない気がして……」
ユキにそう言うとユキは俺の頬に手を添えた
俺は自然とユキの顔を見つめた
その時のユキの表情は真剣だった
千「僕はモモが好きだよ。だからしたいって思ってる。それを受け入れれば簡単に満足して捨ててはいかないよ。一番モモが分かってるはずだ…」
そうだ。
ユキはバンさんを失った
バンさんに捨てられたと思っているのかもしれない
そして今俺と組んでる地点でユキからも捨てたと思ってるかもしれない
一番ユキが嫌なことだ
千「僕を信じて。百瀬。」
百「え…ユキ…今、なんて…」
千「お前自身が好きって言ってるんだよ、百瀬。」
ああ…バカバカしい
悩んでたのがバカバカしくなってきた
バカだな…俺は
ユキはずっと俺しか見てないじゃんか
こんなに溺愛してくれるのに……