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蒼き龍の逝きる意味

第7章 第7章 休養中編


<焰side>

太陽が登る…、とても眩しく、まさしく
鬼殺隊にとっては希望の光だろう。

だが、俺には希望の光でも素晴らしいものでもない。
俺の大切な父の命を奪っていった、憎たらしい…
恨めしくとも思えるような存在だ。

焰「……眩しいだけの存在のくせに…。」

体に太陽の光が当たる。
目が開けていられない程、眩しい。


焰「(太陽…お前は、鬼の命を燃やす鬼殺隊の
唯一の希望なのだろうが…。

どうして、鬼ではない蒼治郎さんの……
父上の命までをも燃やしたのだ…。)」

この目でその憎たらしい姿を見てやろう。
太陽を直接見れば目に悪影響なのは承知で
俺は太陽を見てやろうと目を開いた。

煉獄「焰、こんな朝早くに何をしているんだ?」

焰「!」

後ろから、声を掛けられ太陽を見る事を止めた。
だが、振り返る事も返事をする事も出来なかった…。

煉獄「…?焰?…!君、裸足じゃないか!
それに、羽織も羽織らずに…!」

ジャリジャリと近づいてくる音がする。

煉獄「どうしたんだ焰!どこか具合でも…」

肩を掴まれ、後ろを振り向かされる。
そこで潔く、炎柱を視界に映した。

チカッ…

焰「……ッ…。」

煉獄「~~~~~!~~?」

炎柱を視界に入れた途端、一気に世界の音が
遠ざかっていく。
炎柱が何かを言っているのも、聞こえない。

ただ、俺に分かったのは……太陽に照らされた
炎柱の髪、瞳…その全てが眩しく、美しいという事。
金色と朱が混じったその髪は、光が反射され
キラキラと輝き、髪と同じ瞳は太陽の光が
まるで閉じ込められたように光っていた。

多分、これが…見惚れるというものだ。

焰「…………綺麗だ…。(ポツリ」

煉獄「……え?」

そこでハッと我に返る。
それと同時に世界の音が一気に帰ってくる。

焰「(俺は…、今、何を口走った……?)」

俺は今、炎柱に対して『綺麗だ』などと
言ったのか…?
すぐに口を押さえる。

焰「(この愚か者め。口を滑らせるなど…。
気が抜けている証だ…。)」

思わぬ動揺で判断が遅れ、俺に伸ばされてきた
炎柱の手に反応ができなかった。

ギュゥ…

力強くは無い…、それでも離さないという
意思が伝わってくるような気がした。

焰「…………。」

煉獄「…………。」

今この瞬間だけ、時が止まったような錯覚に
陥った。
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