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蒼き龍の逝きる意味

第7章 第7章 休養中編


<煉獄side>

驚いた。まさか部屋に送っていく事を
許可して貰えるとは。
普段なら、「その必要はない。」と断られるのに。

チラリ…と横目で彼女を見るが、変な事を企んでいたり
何かをしようというような感じは無い。

まぁ、火神少女が俺に何もする事は無いんだろうが。

特に何を喋る訳でもなく、静かに部屋まで
移動する。

煉獄「では、夜更かしせずに寝るんだぞ。」

焰「嗚呼、分かっている。炎柱も程々にな。」

兄弟がするような会話をし、火神少女が
戸を開ける。

が、中に1歩入ったところでこちらを向いた。

焰「…思い悩む《・・・・》のは良いが、
今度からは羽織の1枚でも羽織るんだな。」

煉獄「!」

バレていた?何故だ、思い悩んでいるのを
誤魔化す為に外の景色を眺めていたのに。

焰「ま、人様の事だ。俺にはクソ程どうでもいい。
どこでどんな風に悩もうが、悲しもうが
他人が口出しする理由はないしな。」

辛辣なようで、頼られない限り無闇に
相手を気遣わせないように配慮している焰。

煉獄「(嗚呼、何故そんな君が嫌われるのだろうか。どうして、俺は嫌っていたのだろうか。)」

過去の己が恥ずかしい。
今となってそう思う。

それと同時に、更に彼女を好きになったと
自覚する。
こんなに簡単に態度を変えた自分に腹が立つ。
こんなにも綺麗な彼女に、自分は相応しくないのだと
感じざるを得ない。
けれど、彼女とのこの近いようで遠い距離が
もどかしくて、もっと近付きたくて…

君の"特別"になれたら、なんて………

煉獄「(思ってしまうんだ。)」

焰「…長話をしてしまったな。
早く炎柱も体が冷える前に部屋に戻れ。」

反応が無かった俺に気遣ったのか、
そう言って部屋に入ろうとする火神少女。

ハッとしてその手を掴む。

焰「…………。」

煉獄「…………。」

が、掴んだ後の事を考えていなかった。
凄く不思議げに俺を見上げてくる火神少女。
取り敢えずなにか言わねば!!!

煉獄「そ、その!」

思わず声が大きくなる。
火神少女が「静かに。」と注意してくる。
…すまない。

煉獄「……そ、その、だな。」

焰「?なんだ。」

な、何かを早く言わねば!
不審がられてしまう!!

何かを!何、か、を…

煉獄「き、杏寿郎と、呼ん、で欲しい…。」

シーーーン…
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