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蒼き龍の逝きる意味

第7章 第7章 休養中編


<しのぶside>

しのぶ「では、後は髪を流すだけなので
もう少し頑張ってくださいね。」

焰「…………………………………………ぁぁ…。」

しのぶ「はい、目を瞑って息を止めてください。」

ザバァ ザバァァ

しのぶ「はい、良いですよ。お疲れ様でした。」

私の目の前には、水でぺたんこになった髪の
顔色の少し悪い大人しい焰さん。

普段はどんな事でも感情が分かりにくいのに、
お風呂の時だけは物凄いドンヨリしているのが
伝わってくる。

しのぶ「お湯には浸からなくてもいいので、
立てますか?」

焰「………。《壁に手を付きゆっくり立ち上がる》」

こうなった焰さんは自力では動けない程、
疲労しているのでタオルで体を拭いていく。

こうして、焰さんの体を拭くのには慣れましたが
いつ見てもこの体の細さは心配になる。

しのぶ「(これだけ細いのに、更に横腹を抉られ
前以上に折れそう…。)」

傷の周りの水分を優しく取り、新しいタオルで
焰さんの髪の水分も取っていく。

それが終わった後は、脱衣所に上がらせ
服を着せていく。

しのぶ「はい、出来ましたよ。
お部屋まで戻りましょう。」

焰「…………ん。」

まだ少し顔色が悪いままだけれど、
こんな感じの焰さんは大人しく寝てくれるから
安心です。

部屋まで着き、戸を開けようと取っ手に手を掛ける。

すると、私が開けるよりも早く戸が開く。

煉獄「胡蝶!火神少女!お帰り!」

中からは今まで待っていたのであろう煉獄さん。
大きな声と良い笑顔でお出迎えをしてくれた。

しのぶ「煉獄さん、今は少し声を…」

この声量では焰さんが更に具合悪くなってしまう…。
煉獄さんに注意しようと口を開いた途端、
煉獄さんが静かになった。

その目は焰さんを見据えていた。

煉獄「火神少女…少し失礼する。」

そう言った瞬間、フワッ…と焰さんを
抱き上げる煉獄さん。

しのぶ「(ポカン…」

焰「……。《されるがまま》」

スタスタと焰さんに与えた布団まで歩いて
行ったかと思うと、優しく焰さんを布団の上に
横たわらせ布団を掛ける煉獄さん。

煉獄「顔色が悪い、まだ完全に怪我は
完治していないのだから無理をするな。」

まだ濡れている髪のひと房を撫で、そう言うと
心配そうな顔で焰さんを見つめる。
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