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蒼き龍の逝きる意味

第7章 第7章 休養中編


<しのぶside>

焰「嫌だ。」

しのぶ「拒否権はありませんよ。」

焰「嫌だ。」

しのぶ「何も全身とは言って無いでしょう?」

焰「嫌だ!」

しのぶ「あら、焰さんてばそんなに大きい声も
出せたんですね。」

30分程前から同じやり取りを繰り返している
私と焰さん。
何の話でこんなに焰さんが拒否をしているか?
それはごく簡単なことです。

しのぶ「この1ヶ月弱は、タオルで体を
清めるだけだったでしょう?
そろそろお風呂に入って髪や体を清潔にしないと。」

焰「この屋敷で風呂に入れられるのは拷問だ。
俺一人で入れさせてはくれないし、
なんなら2人3人で押さえてくるだろ。」

しのぶ「だってそれは、焰さんが余りにも
暴れるからですよ。」

焰「それはお前らが俺を固定した後に
容赦なく水を掛けてくるからだ。」

しのぶ「それは語弊です。ちゃんとお湯でしょう。
お湯を掛けてるのは髪を洗う為です。」

焰「そもそも風呂に入るのに俺一人で問題ない。」

しのぶ「そんな事言って、前に1人で入らせて
お湯にビビり過ぎて戻って来たのはどなたでしたっけ?」

「ウグッ…」と言葉に詰まる焰さん。
彼女がここまでお風呂、いえ、水が嫌いな理由…。

お館様から聞いた話では、両親に虐待の1つで
水に沈められたり、熱湯を掛けられたりと
酷い目に遭っていたかららしいけれど。

しのぶ「(確かに、こんなに水を嫌うのは
お館様の話は本当なのでしょう。)」

けれど、可哀想だからと言ってそのまま
不潔な体で過ごさせる訳にはいかない。

しのぶ「焰さん。」

焰「………何だ。」

ちゃんと返事をしてくれるのでまだ余地はある。

しのぶ「私達は嫌がらせで焰さんをお風呂に
入れている訳では無いんです。」

焰「………。」

しのぶ「体に付いた汚れを落とす事で、
体を清潔に保ち、傷にバイ菌を入れにくくし、
化膿するのを防ぐ。傷の治りも良くなりますし、
早く退院もできるかもしれませんよ?」

シーン…

沈黙、ですか。
でもこの沈黙は入るか入らないかの葛藤。
良い方向に向かってますね!

焰「…わk((煉獄「火神少女今いいだろうかか!」
蟲柱、今すぐ風呂に行こう。」

しのぶ「ブフッ!!(笑」
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