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蒼き龍の逝きる意味

第7章 第7章 休養中編


<煉獄side>

あの任務から1週間が経とうとしている。
重症を負ったこの体は、少しでも無茶を
すれば痛みを感じる。
胡蝶からは無茶をしないよう念入りに
言われているので筋力が少しでも
衰えないよう散歩をする程度に留めている。

しのぶ「はい、今日の診察はお終いです。
お疲れ様でした。(ニコッ」

煉獄「うむ!感謝する!」

体に異常がないか胡蝶に診てもらい、
与えられた部屋へ戻る。
竈門少年達はまだ診察を受けていない為、
順番待ちをしている。
彼らの居ない部屋の中はシンとしている。
俺はその部屋の端っこの、
寝具の上の布団の丸まりを見る。

煉獄「……やはり、眠っているな。」

近付き、そっと覗き込む。
布団の中で丸まる彼女は、起きる気配がない。

煉獄「(む、汗をかいているな。
胡蝶を呼ぶ、か……。)」

そこで気付く。彼女の眉間に深い皺が
出来ている事に。
呼吸が浅く、顔色が悪い。

煉獄「(具合が悪化したか……?
一度起こして…。)」

彼女の頬に優しく触れる、直前

焰「……。(パチッ」

なんの前触れも無く彼女の目が開かれる。
驚きのあまり、その格好のまま固まる。
すると、彼女が目だけで俺を見る。

焰・煉獄「「…………。」」

気まずい空気が流れる。
……よもや、まさか寝込みを襲われたと
勘違いされていないだろうか??

焰「……なんだ、何か…用か。」

か、勘違いされているような感じは
しないな……良かった!

煉獄「いや何、酷く具合が悪そうだったのでな!
何かあっては困ると、起こそうとしていた次第だ!」

焰「……そうか。無駄に気を遣わせたな。
具合は何ともない、俺に構うな。」

そう言って俺から視線を外し、
布団に潜り込む火神少女。
俺は彼女の頭を撫でた。
すると、ビクリと彼女の体が強ばった。

焰「…………何のつもりだ。炎柱。」

布団の中から顔を出し、俺を睨み付ける彼女は
少し動揺しているようにも見える。
それが少しだけ楽しくて静かに頭を撫でた。

焰「………質問に答えろ、何のつもりだ。」

パシッ…と手を振り払われた。
彼女の瞳には、動揺と…苛立ちが
入り交じっている気がした。
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