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蒼き龍の逝きる意味

第6章 無限列車編後


<焰side>

焰「(此処に来るのは……何年ぶりだろうか。)」

大きな門の前、【煉獄】と書かれた表札。
師範、蒼治郎さんの幼馴染である
煉獄槇寿郎殿に会いに来た。
門をトントンと、中に聞こえる大きさで叩く。
すると、意外と早く足音が聞こえた。

千寿郎「はい、どちら様でしょう、か。」

門から顔を出したのは炎柱と同じ髪色と瞳をした子供。

焰「……煉獄槇寿郎殿は、いらっしゃるだろうか。」

千寿郎「え、っと……はい。父なら居ります、が…
父とお知り合いですか?」

少し、不安と疑い……いや、警戒か。
そんな感情が声に僅かに乗り、俺の耳へ届く。

焰「……今は亡き師範、篝蒼治郎の弟子…火神焰と言う。
昔、煉獄槇寿郎殿を師範に幼馴染だと紹介され
顔を合わせた事がある。」

そう言うと今度は申し訳なさそうな顔をして
俺を見上げてきた。

千寿郎「そうでしたか。申し訳ありません。
しかしながら、父は…お会いにならないと思います。」

焰「……まぁ、師範の葬儀以来顔を出しては居ないし
門前払いでも仕方ないと思っている。
すまないな。なら、手紙をお渡しして頂けるだろうか。」

千寿郎「手紙、ですか?…うーん、分かりました。」

悩む素振りを見せた後、ニコリと笑って承諾してくれた。

焰「感謝する。では、これを。」

千寿郎「はい、確かに受け取りました。」

焰「それと、一言だけ。
【花を、ありがとうございました。】と。」

千寿郎「……花?わ、分かりました。お伝えしますね。」

何の事か分からないだろうな。
俺はそのまま一礼し、煉獄家の前から去った。
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