第6章 無限列車編後
<しのぶside>
焰「ご、めん……。ごめん、なさ、い…………。」
弱々しい声が聞こえた。
私はその声に怒りを忘れる。
しのぶ「私こそすみません。怒鳴ってしまって……。」
抱き締め返せば焰さんの体は少し強ばる。
意外と焰さんはわかりやすい人ですね。
焰「……俺、勝手に…弱いままだと、思ってた。
でも、違った……。思い込みだった………。」
しのぶ「……。(背中をトントンする」
焰「女だからって、馬鹿に、してたのは………俺だった。」
ポツポツ語る彼女は前までの人形と言われていた
姿とは大きく変わっていた。
こんなに長く話すことなんて、ほぼ無かった。
焰「ごめん、しのぶ……。強いアンタのことまで
馬鹿にしてたんだ。ごめん…………。」
しのぶ「謝らないでください焰さん。
いいんです、あなたがそう思うしか無かった理由を、
私やお館様は知っていますから。」
焰「……も、う、信頼も、仲間も、要らないって、
自分から、捨ててたのに、今は、捨てたくないって
思ってる、俺が居るんだ……。」
【でも……誰も、もう俺なんかを信じてなんてくれない。】
カタカタと震える焰さんの体を少し力を込めて抱き締める。
私という存在を忘れさせないように。
しのぶ「大丈夫ですよ、煉獄さんだってちゃんとあなたを見てくれたじゃないですか。
あなたが良い子だってこと、わかってこうして傍に来てくれたじゃないですか。」
焰「……っん。」
しのぶ「私だって居ます。蝶屋敷の子たちも
あなたのことをちゃんとわかってます。
炭治郎君たちもあなたを見てくれたでしょう?」
焰「……ぁあ。」
しのぶ「だから、大丈夫ですよ。これからがまだあるじゃないですか。
あなたという存在をちゃんと見せつけなさい。
私たちが協力します。お手伝いします。
それに、あなたの師範もここ《心》に居ます。」
【だからもう1人ではないんですよ。】
焰「っ嗚呼……。」