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蒼き龍の逝きる意味

第6章 無限列車編後


煉獄side>

煉獄「本当に、すまなかったっ……。
噂だけで君を、判断し、酷いことを言った………。
ちゃんと、君を……知ろうと、しなかったっ。」

泣くまいと、涙を堪え震える声を必死に出して
謝罪をする。返事はない。

煉獄「謝ってもっ、無駄だと、許されないと、わかっているっ、承知の上だ……。
だがっ、謝らせてくれ………。」

焰「……無駄だろうが、許されなかろうがくそ程どうでもいい。」

その言葉に顔をバッとあげる。
御納戸色の瞳と視線がかち合う。

焰「………別に気にしてない。謝るな。
俺が、自分のことを話さないから……こうなったんだ。」

煉獄「っだが……!」

開いた口に人差し指が置かれる。
シーッと言う彼女はいつもの無表情のまま。

焰「謝って欲しいなんざ、誰も言ってねぇ。
だから、もうおしまいだ。」

そっと人差し指が離れる。
俺は、そう言われてしまい頷く他なかった。
すると、ワシャリと頭を撫でられた。

煉獄「(ジワッ」

ポロポロ……ポロ…………

その手の中に優しさが混じっていたことに気づいた。
耐えていたモノが溢れた。

煉獄「焰……、焰っ…………!俺はっ、俺は……!
アァアッ……!焰………!(泣」

何度も何度も彼女の名を呼んだ。

焰「嗚呼、俺は居るよ。ここに居る。」

何度も何度も彼女は返事をしてくれた。
泣いて縋る俺をあやす様に頭を撫でてくれた。

トクンッ トクンッ トクンッ トクンッ.......

煉獄「(何だろうか、この胸の高鳴りは……。)」

今まで感じたことの無い鼓動の早さ。
破裂するのではないかという程……。

焰「お前は疲れてるんだ、休め。」

いいや、疲れてなんていない………。
こんなに心臓も動いてる、息をしてる。

焰「目を瞑って、深呼吸しろ。」

嫌だ、眠りたくない。
次目を覚ましたら君が死んでいたら、なんて現実になったら耐えられない。

煉獄「もうっ、死なないでくれ……!(泣」

焰「変な奴、今度は俺に死なないで欲しいなんて。」

【気が向いたらな。】

そう聞こえたのを最後に、俺は意識を手放した。
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