第5章 あの世編
蒼治郎「本当にこれで良かったのかい?」
焰「良かったんだよ。これで。寧ろ、いい死に方出来たんじゃねぇかな。」
俺がそう言うと、
蒼治郎「……そうかい。」
師範は一言そう言った。
俺は違和感に気づかず話し続ける。
焰「未練は無い、これで良かったんだ。
あいつらが死ぬよりよっぽどいいだ…ろ……?」
突然師範に左肩を押される。
後ろは崖、抗う間もなく落ちて行く体。
蒼治郎「焰、お前にはまだ未来がある。
ようやく知れた感情をもっと感じておいで。
此処に来るのはまだ先でいい。(微笑」
焰「っ師範……!(手伸」
遠くなっていく師範の姿。手を伸ばしてももう届かない。
焰「何でっ……。」
もう終われるなら終わって良かったんだ。
俺が居る方が皆悲しがるから……。
でも、アンタが俺を生きさせようとするなら……
ほんの少しだけ、生きててもいいよ。