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蒼き龍の逝きる意味

第5章 あの世編


<焰side>

焰「(ここは、どこだ…?)」

真っ暗な視界。自分の姿だけがはっきりしている。
暑くも寒くも無い、なんだここは。

??「焰……。」

焰「!(振り返る」

懐かしい声が聞こえて振り返ると、師範がいた。
糸目で、口は笑みをたずさえているのも変わらない。

蒼治郎「なぁ、焰。もういいのかい?」

目の前で優しく笑うこの人は、俺の師範 篝蒼治郎だ。

焰「…………嗚呼、俺が居ても居なくてもこの世界は何一つ変わらねぇからな。」

その表情、幼い頃は良く分からなかった。
でも、今なら分かる。悲しげに笑いやがって。

焰「……俺は、アンタに拾われて育てられて
こうして感情も知れて、十分幸せだった。だから、もういいんだ。(微笑」

なぁ、俺ちゃんと笑えたか?
アンタに初めて言葉にして伝えた想いは届いたか?

焰「なぁ、師範……。
アンタの言ってたいつかは"今日"だったみてぇだ。」

自分の為に……、他人の為に………、怒れる日は。

焰「コレ《・・》はこんなに重いものなんだな……。」

アンタが奮っていた刃は、いつだって迷いが無かった。
でも、それは……

焰「人を守る為の刃だったからなんだな……。」

ポツポツと口から零れていく言葉。
止まることがなく、師範に伝える。

蒼治郎「な、俺の言う通りだったろう?ちゃんとわかる日が来るって。(ニッ」

焰「嗚呼、言う通りだったよ。」

それが師範の予言だったから当たって少し笑ってしまった。
師範は笑う俺を優しい目で見た。
しかし、すぐ悲しげな顔になった。
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