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蒼き龍の逝きる意味

第8章 遊郭編







通されたのは、安静に療養する為の個室。
今は誰も居ないからと、今日だけ
此処に泊まらせてくれた。

しのぶ「此処でお待ち下さい。」

胡蝶がそう言うと部屋を出て行く。
しかし、すぐ戻ってきた彼女の手には
救急箱がぶら下がっていた。

しのぶ「…、手を見せてください。」

煉獄「嗚呼。」

テキパキと手当をされる。
少し沁みたが甘んじて受け入れる。

しのぶ「終わりましたよ。」

煉獄「ありがとう!」

しのぶ「いえいえ。」

両手に軽く包帯を巻かれ、手当が終わる。
感謝すれば、ニコリと微笑まれる。

シン……………

話すことが無く、静寂が俺と胡蝶を包む。

煉獄「(あの子に会いたい。
しかし、まだ峠も越えていない…。
大人しく寝るか………。)」

悶々と悩んでいると、胡蝶が見透かしたように
右手の人差し指を立てた。

しのぶ「…峠を越すのは日が昇る頃です。
慎重にならなくてはなりませんが
呼び出しておいて会わせない、なんて
酷い仕打ちしませんよ。
強く触れなければ大丈夫です。」

煉獄「…!本当か?」

しのぶ「ええ。焰さんの病室は
特別重症患者用の病室で静かに
療養が出来る離れです。
私以外が入れないように、
鍵がかかっていますが、これを。」

そう言われ鍵を渡される。

しのぶ「焰さんも、煉獄さんなら
会いに行っても許してくれますよ。」

煉獄「…そうだといいな。」

鍵を握り締め、胡蝶に礼を言ってから
静かに焰の居る病室へと向かった。
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