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蒼き龍の逝きる意味

第8章 遊郭編


しのぶ「煉獄さんの事も、宇髄さんの事も私達は許しません。
焰さんをあんなに傷付けて
二度も死なせようとするなんて。
私の大切な友人をこれ以上苦しめるなら、毒殺します。」

そう言い切った胡蝶の顔は、無表情だった。
本気である、という顔だった。

それは宇髄も分かったらしく、
少し顔が青い。恐らく俺も同じだろう。

煉獄「…………承知した。
今までの事を反省し、もう一度焰へ
謝罪し、これから先二度とこのような事を
しないと煉獄杏寿郎の名に誓う。」

宇髄「俺もだ。許して貰うつもりも
自分を許すつもりもない。
ただ、自分のした事を謝罪し
これ以上の失態を犯さない事を誓う。」

それが、俺が……俺達が出来る償い。
嫌われてしまっても仕方ない事をしたんだ。

煉獄「この誓いを破った時には切腹する。」

宇髄「右に同じだ。」

そこまで言い切ると、胡蝶の顔が
無表情からいつもの顔に戻った。

しのぶ「…まぁ、そこまで言い切ったんですから、
それなりの覚悟はあるようですね。
私はそれで妥協しましょう。
………ですが、焰さんがそれで
納得するかは別ですよ。」

煉獄・宇髄「「承知の上だ。」」

自分達がしてきた事に比べれば
焰からの拒絶も怒りも生温い。
焰の気が済むまで報復をされる覚悟だ。

しのぶ「…………煉獄さん。貴方の思いは
充分に分かりました。
宇髄さんも、その瞳を見れば
本気である事が分かります。
ですが煉獄さん。強く手を握り過ぎです。
血が出ていますよ。」

ハッとして
そこには力を込め過ぎて白くなり、
血が滴った己の手があった。

煉獄「……う、む。すまない。
頭に血が上ったようだ。」

しのぶ「そうでしょうね。
では、話し合いも済んだようですし、こちらへ。」

俺は宇髄の方を見る。
宇髄もこっちを見ていたらしく目が合った。

宇髄「………ちゃんと焰が目覚めたら謝罪しに行く。
…お前にも、悪かった。」

煉獄「…嗚呼。そうしてくれ。
俺も、重症患者の君にあるまじき事をした。
すまない。」

それだけ言い合い、扉を開けて待っている
胡蝶と共に部屋を後にした。




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