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蒼き龍の逝きる意味

第8章 遊郭編


それなのに───────

煉獄「……宇髄っっ!!!」

しのぶ「煉獄さん!?落ち着いて下さい!!
宇髄さんも重症患者なんですよ!?」

焰だからと、軽視して
怪我の具合も見ずに上官命令で
連れて行った挙句、生死を彷徨う程の
大怪我をさせて帰ってくるとは…!!!

俺は立ち上がり、胡蝶の静止も聞かず
宇髄の気配がする部屋へ
ズカズカと歩みを進める。

ガララッ!!バンッ!!

煉獄「宇髄っ!!!此処かっ!!!!」

しのぶ「煉獄さんっ!!!」

宇髄「うぉっ!?」

扉を開ければ、何本の管に繋がれた
左目と左手を失い、俺の登場に驚く宇髄の姿。
それを見ても、怒りは収まらなかった。

煉獄「宇髄っ!貴様!!!
自分が何をしたか分かっているのか!!」

俺は宇髄の着ている服の胸倉を掴んで
持ち上げる。

宇髄「れ、煉獄っ!待て!
反省してる!!反省してるから
一旦落ち着けって………(汗」

煉獄「これが落ち着いてなどいられるか!!!」

俺は宇髄の言葉を遮り、怒鳴る。
これには宇髄も俺の怒りがどれ程のものか
分かったらしく、口を噤んだ。
後ろで胡蝶が、心配そうにこっちを
見ているのが分かる。

煉獄「貴様………っ…、あの子を
殺すつもりだったのか!!
あれ程の大怪我をさせて、
挙句に意識不明にまでさせて!!!
蝶屋敷に入院しているなら
軽い怪我ではない事は分かる筈だ!!
それなのに何故連れて行った!!」

宇髄「…っ、すまない。」

煉獄「俺に謝れなどとは言っていない!!
謝りたいならあの子に謝れ!!!
確かに俺達はあの子の事を禄に知りもせず、
嫌悪していたがそれとこれとでは話が違うだろう!!
そこまでする程憎い相手だったか!!
あの子はお前に!俺に、俺達に
何かしてきたか!!?してないだろう!」

胸倉を掴んだままガクガクと
宇髄を揺らして怒りのままに喋る。

宇髄「……嗚呼、…本当に反省してる……。
俺の判断が間違っていた…。
柱として、人間として不甲斐ないと思っている…。」

抵抗せず、されるがままに受け入れている
宇髄の顔は後悔と悲しさが混じっていた。
それを見た俺は、少しだけ
怒りが収まるのを感じた。
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