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蒼き龍の逝きる意味

第8章 遊郭編


煉獄「…ふむ。それ以外の怪我は?」

しのぶ「体を大きく叩きつけられたか、
大きなもので殴られたのか、
肋が折れています。打撲もあります。
内臓自体には問題ありませんが
無限列車の任務からは慎重になるようにと伝えていた
肺の様子が心配です。」

煉獄「……………。」

死ぬ一歩手前だという事か。
彼女を失えば、何をするか分からん。

どうして、彼女は遊郭などに
宇髄達と共に行ったのだ…………。
まだ退院どころか、機能回復訓練で
ようやく安定してきた所だったろう。

煉獄「………胡蝶、焰を遊郭の任務に
応援として呼んだのは宇髄か…?」

彼女が入院中だと、知らなかったのか?
まだ彼は焰自体を嫌悪していて、
情報が入ってなかったのかもしれない。
そうであってくれ…。

そう願った俺の願いも虚しく、
胡蝶は珍しく怒った表情を隠さずに
俺の方を見つめて来た。

しのぶ「応援で呼ばれたのなら、
知らなかったと言われれば仕方無くなかったとしても、
殴るだけで済みましたよ…。」

煉獄「……。」

しのぶ「宇髄さんは、私の屋敷で働く
アオイやすみ達を遊郭の任務で
使おうとしていたそうです。」

なんと、宇髄はそんな酷い事を。
彼女達の意思などなく、胡蝶の許可もなく
連れて行こうとしたのか。
確かに、継子以外は許可がいらないとしても
蝶屋敷で働く子達を………。

しのぶ「ただ、炭治郎君や善逸君、伊之助君の
提案でアオイ達の代わりに
遊郭に行く事になったようです。」

煉獄「彼ららしいな。」

「ええ、本当に。」と頷く胡蝶だが
その表情は固い。

しのぶ「その時に、炭治郎君達に味方し、
アオイとなほを宇髄さんの腕から
救出してくれた訓練中の焰さんを
“それだけ動けるなら”と
怪我の程度を甘く見た宇髄さんが連れて行った、と
あの子達から聞きました。」

煉獄「…よもや。宇髄がか?」

しのぶ「はい。」

ビキリ…と額に青筋が立つのが分かった。
ここに来るまで、何度も思った。
宇髄が救援しただけだと。
いないよりマシだろ、と呼んだだけだと。
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