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蒼き龍の逝きる意味

第8章 遊郭編


<NOside>

ザンッ!

ドンッ ゴン ゴロゴロ ガッ……

堕姫と妓夫太郎の頚は地面へと落ち、
互いの頚が向き合う。

ドシャ

………

妓夫太郎の体が倒れた、直後──

ギュル!

宇髄「!!」

何か異変に気付いた宇髄。

須磨「斬った!?斬った!!斬った!!
キャーーッ!」

屋根の上からそう叫ぶのは須磨。
まきを、雛鶴と共にあれこれと叫んでいる。

雛鶴「!? 何か様子が変だわ!」

そう言い放つ雛鶴。
その頃、炭治郎は体に巡る毒に
必死に抵抗していた。

炭治郎「(どっ毒を、何とかっ…呼吸で…
す、少しでも毒が回るのを遅らせ……)」

毒の影響で、耳が聞こえず
目の前で何かを叫ぶ宇髄を見る。

宇髄「逃げろーーーーーーーッ!!!」

瞬間──────

ギュル ギャギャギャギャ!!

妓夫太郎の体から最期の技が繰り出され
周りが全て破壊されていった。


───────────────────────


炭治郎が目を覚ますと、禰豆子が
心配そうに見下ろしていた。

炭治郎「禰豆子…」

ぼんやりとした頭で妹の名を呟くが、
静寂が兄妹の間を通り過ぎる。

炭治郎はゆっくりと体を起こすと、
周りの惨状に言葉を一瞬失った。

炭治郎「酷い…、めちゃくちゃだ。」

グイグイ

炭治郎「!!」

頭を撫でろと言わんばかりに
禰豆子が炭治郎の服を引っ張る。

炭治郎「禰豆子が助けてくれたのか!?
ありがとう……。…、他の皆は!!」

バッと立ち上がるが、足に力が入らず
炭治郎は膝から崩れ落ちる。

そこで、炭治郎はふと気付く。

炭治郎「(何で動けるんだ?何で俺は生きてる?
毒を喰らったのに……。)」

信じられない己の状況に固まっていると
遠くの方から「たんじろ〜〜」と聞こえた。

すると、禰豆子が炭治郎をおぶって
声のする方へ駆けていく。


善逸「起きたら体中痛いよおおお!!
俺の両足 これ折れてんの何なの!!
誰にやられたのこれ!!痛いよおお!
怖くて見れないいぃ!!(号泣」

いつもの調子に戻って泣いている善逸が居た。

善逸「俺も可哀想だけど伊之助がやばいよぉ!
心臓の音がどんどん弱くなってるよ〜〜!」

「あそこにいるよ あそこ〜〜!!」と
善逸が指差す場所を見れば、
壊れた建物の屋根の上で倒れ込む
伊之助の足が見えた。
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