第8章 遊郭編
<焰side>
焰「…!」
意識が飛んでいたのか。
どれ程気を失っていた。
音柱は? 竃門炭治郎達は?
起き上がろうとして、全身に痛みが走る。
焰「グッ………ッ…!」
痛覚が戻ってきたのか…、厄介な。
瓦礫から抜け出し、辺りを見回す。
鬼の姿が見えない。
もしかしたら、竃門炭治郎達の方に
居るのかもしれない。
焰「…早く、行かね、ば……。」
立ち上がるが、足元が覚束ない。
血を流し過ぎた。
ドドドド!!
少し遠くで爆発音のような物が鳴っている。
焰「(あちらか。)」
援護に行かねば、早く……。
痛覚を封じる呼吸を……………
焰「ゴフッ…!」
呼吸をしようとした途端、血を吐いてしまった。
まずい、肺への負担がかかり過ぎた。
だが、援護をしない訳にはいかない。
焰「(死ぬのならば、鬼を殺してから…。
自分がそう言ったのだろう…!)」
歯を食いしばり、体に力を込める。
焰「……シィイイィィイイイィ…ッ!」
全身に空気を巡らせる。
体の痛みが引いていく。
ユラァ…
視界の端に、揺らめく大きな蛇のような
物が見えた気がした。
瞬間、目の前が晴れ体が軽くなる。
ボボボッ…
炎の呼吸を使ってないはずだが
刀に蒼い炎が纏われていく。
焰「……やってやるよ。」
俺は、そのまま音のする方へ
全力で向かった。