第8章 遊郭編
<NOside>
雛鶴がぶっ飛ばしてきたクナイには
藤の花から抽出された毒が塗られており
妓夫太郎の体の再生を一瞬止めたものの、
宇髄が頸を斬る前に分解され──
妓夫太郎「“血鬼術”円斬旋回・飛び血鎌」
広範囲の予備動作無しの斬撃。
宇髄は瞬時に理解し、逃げ遅れた炭治郎を
蹴り飛ばし、音の呼吸で応戦する。
宇髄「音の呼吸 肆ノ型 響斬無間!!」
爆発と斬撃を同時に与える、が
手応えはなく瓦礫や土煙で悪かった視界が
晴れた時には妓夫太郎は消えていた。
宇髄「雛…──────」
危険を感じた宇髄は嫁の一人である雛鶴に
駆け寄ろうとするが、帯が邪魔をする。
雛鶴「天元様私に構わず鬼を探してくださ…」
ガッ
瞬間、雛鶴の口を片手で掴んで
妓夫太郎が現れた。
妓夫太郎「よくもやってくれたなああ。
俺はお前に構うからなああ。」
宇髄「雛鶴ーーーーっ!!!」
帯に邪魔をされ、傍に向かえない宇髄。
脳裏に昔の記憶が蘇る。
それは、四人で話し合ったあの日。
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雛鶴「上弦の鬼を倒したら一戦から引いて
普通の人間として生きていきましょう。
忍として育ち、奪ってしまった命が
それで戻る訳ではありませんが
やはりどこかで、
きちんとけじめをつけなければ
恥ずかしくて陽の下を生きて行けない。」
何処か切なくて、覚悟を決めた顔をして
雛鶴が微笑む。
雛鶴「その時四人が揃っていなくても、
恨みっこなしです。」
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そんな未来が来る事を否定したくて、
宇髄は叫ぶ。
宇髄「やめろーーーーっ!!!!!」