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蒼き龍の逝きる意味

第8章 遊郭編








俺の方こそ感謝したい、お館様。
貴方には───。


命を賭けて当然、全てのことは出来て当然。

矛盾や葛藤を抱える者は愚かな弱者。

ずっとそんな環境でしたから。


妓夫太郎「ん?んん?んんんん?」

何かに気付いた鬼は、段々と
口元を歪めて笑い出した。

妓夫太郎「ひひっ、ひひひっ。
やっぱり毒、効いてるじゃねぇか。じわじわと

効かねぇなんて虚勢張って
みっともねぇなああ。ひひひっ。」

隣に居る鬼擬きの刀にコンッ…と自分の刀を
僅かにぶつける。

焰「…………。」

ユラリ…と一瞬、鬼擬きの刀が揺れた。

宇髄「いいや、全然効いてないね!
踊ってやろうか!」

両足に力を込める。

宇髄「絶好調で天丼百杯食えるわ!派手にな!!」

全身に、筋肉に、一瞬にして
足に溜めた力を開放する。

瞬間、俺の振り回した刀の間合いから
鬼擬きが猫のように身体をしならせて
鬼との距離を詰めた。

ドギャ!!

女の方は上へ蹴り上げ、男の方は
刀で鎌を止める。
周りに伸びた帯は鬼擬きが切り刻む。

宇髄「お前は女を。」

焰「承知。」

襲い掛かってくる兄妹を互いに
一人で相手をする。

妓夫太郎「俺の妹を蹴んじゃねえよなぁ。」

堕姫「この糞野郎!!」

飛んでくる攻撃をいなしても、
頚に届かなければ意味はねぇ。

宇髄「鬼擬き!」

焰「!」

懐から火薬玉を取り出し、空中へ投げる。
兄貴の方が火薬玉に鎌が当たる寸前で
回避したが、妹の方は読み通りに
帯で火薬玉を斬ってくれたらしい。

ドドドン!!

後ろで派手に爆発音が鳴る。
鬼擬きは巻き込まれてねぇようだな。

焰「フッッ…!!」

堕姫「ギャッ…!!」

爆発音の中に、鬼擬きが刀を
振り下ろした音が聞こえたと同時に
俺は目の前の兄貴の方に刀を振りかぶった。
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