第8章 遊郭編
一族が衰退していく焦りからか
親父は取り憑かれたかのように厳しい訓練を
俺達に強いた。
生き残ったのは俺と二つ下の弟のみ。
そして弟は、親父の複写だ。
親父と同じ考え、同じ言動。
部下は駒、妻は跡継ぎを産むためなら
死んでもいい。
本人の意志は尊重しない。
ひたすら無機質。
───俺はあんな人間になりたくない───
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お館様『つらいね、天元。君の選んだ道は。
自分を形成する幼少期に植え込まれた
価値観を否定しながら戦いの場に
身を置き続けるのは苦しい事だ。
様々な矛盾や葛藤を抱えながら
君は、君達は…
それでも前を向き戦ってくれるんだね。
人の命を守るために。』
『ありがとう、君は素晴らしい子だ。』