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蒼き龍の逝きる意味

第8章 遊郭編


<焰side>

妓夫太郎「うぅううん。」

小さな子供のように喚き出した鬼の体から
別の鬼(・・・)が出て来た。

ゾッ

気配が重く禍々しい。
隣の音柱が動き、鬼に刀を振るう。

そこには、鬼の姿は無く気配が
俺の後ろにあった。

焰「…ッ!」

妓夫太郎「泣いてたってしょうがねぇからなぁあ。
頚くらい自分でくっつけろよなぁ。
おめぇは本当に頭が足りねぇなぁ。」

この、出てきた鬼…反射速度が泣いてる鬼の
比じゃない。
しかも、女の方は頚を斬ってるのに
死んでいない。だが………

妓夫太郎「顔は火傷かこれなぁぁ。
大事にしろ、顔はなぁ。」

ゴシゴシと火傷の方を撫でる男の鬼。

妓夫太郎「せっかく可愛い顔に
生まれてきたんだからなぁ。」

手が離れれば、顔の火傷が治っていた。

焰「(不味い。)」

音柱と同時に二体の鬼に向かって
刀を振るう。

その瞬間、俺は音柱に首根っこを引っ張られ
後ろへと投げ飛ばされる。

ビチッ!

ズザザッ!

焰「ッ"ッッ"……ッ…!てめ、音柱…何しやが………。」

投げ飛ばされて負傷した方の肩を
床に思い切りぶつけ、不満を音柱に
言おうとすれば近くにいた鬼の持っている物に
気付いた。

妓夫太郎「へぇ、やるなぁあ。
怪我人庇ってから、攻撃も止めたなぁぁ。」

その顔には殺意があり、恐らく
一番この場で瀕死の俺を狙ったのだろう。
音柱に投げ飛ばされなければ…危なかった。

妓夫太郎「殺す気で斬ったけどなぁ。
いいなぁお前。いいなぁ。」

その瞬間、音柱の額当てが壊れる。
頭に攻撃を喰らったのか。

焰「(俺なんぞを庇うから………。)」

俺は立ち上がり、鬼が動けばすぐにでも
頚を斬るつもりで刀を構える。

焰「(相手は鎌を使っている…。
肉片のような色や形をしてる。
血鬼術の類の可能性が高い…。
………………音柱の援護をしなければ。)」
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