• テキストサイズ

蒼き龍の逝きる意味

第8章 遊郭編


<炭治郎side>

きっ…

炭治郎「(斬った!!頚が落ちてる!!
宇髄さんが斬ったのか!?凄い…!!)」

俺が目の前の事に驚いていると
宇髄さんがズイムと顔を近付けてきた。

宇髄「おい、戦いはまだ終わってねぇぞ。
妹をどうにかしろ。」

禰豆子「グアアア!!」

炭治郎「禰豆子!」

さっきよりも強い力で暴れ出す。
このままじゃ、拘束が……!

宇髄「ぐずり出すような馬鹿ガキは
戦いの場にはいらねぇ。
地味に子守り唄でも歌ってやれや。
鬼擬きと俺は先に戦ってる。」

宇髄さんがそう言うと同時に
禰豆子が窓に向かって飛んだ。
俺もそのまま吹っ飛ぶ。

ドッ!

炭治郎「うぐっ!ゲホッ…!」

禰豆子「ガァアッ!」

背中を地面に強打して痛い。
けど、禰豆子はきっともっと痛い。

炭治郎「禰豆…子…!」

禰豆子「グォウッ!ガァッ!!」

どれだけ声を掛けても状況は変わらない。
駄目だ、俺の声が届かない…。
全然聞いてくれないよ………


どうしよう、母さん


宇髄『子守り唄でも歌ってやれ。』


炭治郎「…!」

宇髄さんの言葉を思い出し、
禰豆子を固定して息を吸う。

炭治郎「こんこん…小山の、子うさぎは…
なぁぜに、お耳が…長うござる…。」

禰豆子「グアアッ!」

バッ

炭治郎「小さい時に、母さまがっ」

ガッ

炭治郎「長い木の葉を食べたゆえ…
そーれで、お耳がっ…長うござる……っ。」

届け………。

届け、禰豆子に。

暫くの無言の後、突然禰豆子が
泣き始めた。

刀を口から離しても、暴れない。
わーんわーんと大きい声を上げて
大粒の涙を流す禰豆子。

その体は痣が消えていき、小さくなっていく。

ズ ズズ…

禰豆子「……スゥ…スゥ……。」

涙を流したまま、小さくなり切ると
眠ってしまった。

炭治郎「寝た……。」

一気に体から緊張が抜ける。

炭治郎「母さん、寝たぁ…。
寝ました…、宇髄さん、焰さん…。」

もしもの未来にならなくて、
本当に良かった……。
ゆっくり、休むんだぞ…。禰豆子。
/ 204ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp