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蒼き龍の逝きる意味

第8章 遊郭編


<焰side>

焰「カハッ………、ッッ…。」

掠っただけで、これか…。
それに、竃門炭治郎も竃門禰豆子も…
俺一人では守りきれない…。

厄介なことに、妹の方は
鬼化が異常に進んでいる。

タンッ

堕姫「弱いわね、大して人を喰ってない。
何であの方の支配から外れたのかしら?」

まずい、すぐ目の前に鬼が…。
だが、鬼は俺に興味を示さず
竃門禰豆子の方だけ向いている。

ずり…

焰「(嗚呼…、真っ二つに瓦礫の下敷き。
相当な体力を消耗している…。)」

堕姫「可哀想に。胴体が泣き別れになってるでしょ?
動かない方がいいわよ。
アンタみたいな半端者じゃそれだけの傷、
すぐには回復出来ないだろうし。」

シュルシュル…

帯を出した、恐らく捕まえるのだろう。
そしたら、二度とこの兄妹は
会えないだろう。



お館様『焰、あの兄妹を
守ってあげてくれないかな?』



焰「(…………それだけは駄目だ。
お館様に二人を守る役目を渡されているのだ。)」

無理に体を起こす。
ゆっくり、鬼にバレないように。

堕姫「同じ鬼だもの。もういじめたりしないわ。
帯に取り込んで、朝になったら
日に当てて殺してあげる。」

手に握られたままの刀を強く握り締め、
ゆっくりと立ち上がる。

全身が痛い、最早どこが痛いのかさえ
分からない。

焰「(けど、このまま見て終わりなんて
できるわけ無い。)」

堕姫「鬼同士の殺し合いなんて、時間の無駄だし…」

ザン……

焰「……………は…、…?」

俺は、幻覚でも見ているのか?
人を喰ってない竃門禰豆子の、
胴体が既に再生されている?

焰「(俺はこの右目で見た。
体がバラバラになる所を…。)」

ボタボタ…

ギュルッ!

焰「………腕が…、再生した………。」

あの再生速度、上弦に匹敵している。
何故だ、俺は今までこの兄妹の
監視を続けていた。
その中で一度たりとも人を喰っていた
瞬間は無い。

焰「………何が、起きて…。」


ミシッ ミシッミシッ バキンッ!

竹が割れる音、竃門禰豆子の口枷が
落ちた。
姿が変わっていく。

焰「…………ッッ…!」

この圧迫感、威圧感…。
白い髪の鬼よりも、圧倒的に重い。
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