• テキストサイズ

蒼き龍の逝きる意味

第8章 遊郭編


ぽん

炭治郎「へ…?」

負傷していない方の手で、焰さんが
俺の頭を撫でてくれた。

焰「……、お前が今一番動けるな?」

炭治郎「…っ、はい!」

焰「俺は一旦その男を連れて退却する。
守りながらでは保たないだろう。
俺も、止血が出来次第加勢する。
それまで、耐えれるか…?」

喋っている間にも、ボタボタと
肩から血を流す焰さん。
その目には俺を案じる色と、
焰さんから漂う心配の匂い。
ここに俺を一人で置いていくのが
気掛かりなのだろう。

炭治郎「…はいっ!やれます!
焰さん!俺は大丈夫です!行ってください!!」

焰さんにそう言うと、少しだけ
言いたげに口を開くが言い留め

焰「では、頼んだ。
少しの間だが、死ぬなよ。」

それだけ言って男の人を担いで
姿を消した。
鬼の方を見れば、ゆっくりとどこかへ
歩いていこうとしてるところだった。

炭治郎「待て、許さないぞ…。
こんな事をしておいて。」

俺がそう言うと、不機嫌そうにこっちを
向いた。

堕姫「何?まだ何か言ってるの?
もういいわよ、不細工。
醜い人間に生きてる価値ないんだから。
仲良く皆で死に腐れろ。」

その言葉に、心臓が耳にあるくらい
はっきりとその心音が聞こえてきた。
ミシミシと、体のどこかで鳴り始める。

遊女「弘さん!弘さんっ!!
嫌ぁ誰か助けてェ……!!」

その悲痛な叫びに、目の前が
赤くなった気がした。
/ 204ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp