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蒼き龍の逝きる意味

第8章 遊郭編


<炭治郎side>

炭治郎「(全然頚が斬れない!!
これじゃただ無駄に時間が過ぎてしまう!!)」

必死に鬼の動きに合わせて動いていると
突然、鬼にギュルギュルと何かが入っていく。

炭治郎「(何だ?帯が体に入っていってる…
いや、戻っているのか。分裂した分が。)」

けど、動きの止まっている今なら
頚を斬れるかもしれない!!

ゴゥ!ビュビュン!!

手応えがない。
ハッとすれば、そこには誰もいない。

炭治郎「(消えっ…)」

堕姫「やっぱり“柱”ね。
柱が来てたのね。良かった。」

声の聞こえた方へ視線を向ける。
そこは屋根の上。

堕姫「あの方に喜んで戴けるわ…。」

ズズズ…

姿が変わった……。

炭治郎「(なんて禍々しい匂いだ。
喉の奥が痺れて痛い。)」

でも、伊之助達の方に宇髄さんがいるのか?
だったら安心だ。

男性「おい!!何をしているんだお前達!!」

炭治郎「!!」

しまった!!騒ぎで人が…

男性「人の店の前で揉め事
起こすんじゃねぇぞ!!」

堕姫「…、うるさいわね。」

まずい、鬼の殺気が更に強くなった。
このままじゃこの人が!

炭治郎「だめだ!下がってください!!
建物から出るな!!」

そう言った、刹那─────

バッ

目の前に血が飛んだ。
でも、俺の体はどこも痛くない。
ハッと顔を上げれば肩から出血している
俺を庇うように立っている焰さんの姿。

炭治郎「…ほっ、ほむ((男性「グッ…アアッ!グアァアアッ!」

後ろの男性が悲痛な叫び声を上げる。
それと同時に、周りの店がズンッと
重い音を建てて一部が崩れ落ちた。

よく見れば、建物の中にいた人や
様子を窺っていた人達が血だらけで
倒れていた。

遊女「ギャァッ!ギャアァアアッ!!
ひっ、ひっ…弘さんっ!!嫌ァア!!(泣」

聞くに耐えない、深く絶望した悲鳴。
辺りを囲む血の匂い。

目の前の焰さんから匂う、耐える匂い。

焰「………、…竃門炭治郎…。」

炭治郎「…!はいっ!!」

焰「…負傷は?」

炭治郎「後ろの男性と、周りの建物内に
居た人達が重傷です!」

焰「…、お前は。」

炭治郎「俺は焰さんのお陰で無傷です!」

それを聞くとバッと俺の方を向く焰さん。
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