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蒼き龍の逝きる意味

第8章 遊郭編


<炭治郎side>

鬼の匂いを辿り、鯉夏さんの部屋へと戻ると
そこには匂いの元凶、鬼が居た。

堕姫「鬼狩りの子?来たのね、そう。」

その鬼は驚いた様子もなく、シュルシュルと
帯を操っていた。

堕姫「何人いるの?一人は黄色い頭の
醜いガキ、もう一人は鬼みたいな瞳と八重歯をしてる男。
柱は来てるの?もうすぐ来る?
アンタは柱じゃないわね。弱そうだものね。」

黄色い頭のガキ、鬼のような瞳と八重歯の男…
善逸と焰さんの事だ!
でも今は…

堕姫「柱じゃない奴は要らないのよ。わかる?
私は汚い年寄りと不細工を喰べないし。」

帯に巻き付かれている鯉夏さん。

炭治郎「(体…!!どうなっている!
鯉夏さんの体が無い!
出血はしていない、血の匂いはしない!)」

けど、油断できない!
このままじゃ鯉夏さんが危ない!

炭治郎「その人を放せ!!」

俺がそう叫ぶと、目の前の鬼は
ビキッと血管を浮かべ怒りの匂いをさせた。

堕姫「誰に向かって口を利いてんだお前は。」

ブォン!

その瞬間、何本もの帯が俺に向かって
飛んできた。
それを認識した時、

ガキュイン!!

俺の体は逆側の店の二階部分にめり込んでいた。
そして、状況が理解出来た瞬間
体中に痛みが走った。

炭治郎「ゲホッ!ハァ ハァ ハァ ハァ
(速い、見えなかった!
上弦、手足に力が入らない…!体が痺れて…!)」

落ち着け!!
体は反応出来てる。そうじゃなかったら
今生きてない。

体を必死に起こし、立ち上がる。
刀を構えて、油断をしないように集中する。

炭治郎「(手足に力が入らないのは俺が怯えているからだ。
体が痺れているのは背中を強打しているから当たり前。)」

そこまで自分に言い聞かせて、
奮い上がらせる。
俺はまだ動ける、大丈夫!

炭治郎「(あの鬼の武器は帯だ。“異能”がある。
人間を帯の中に取り込める。
建物の中を探しても探しても
人が通れるような抜け道がなかった訳だ。
帯さえ通れる隙間があれば人を攫える。)」

そこまで状況をまとめ、どうするかを
考える。
俺一人ではまともに戦えないかもしれない。
けど、やるしかない!!

堕姫「生きてるの、ふぅん。
思ったより骨がある。」

部屋の中から出てきた鬼は、
愉快そうに口角をあげていた。
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