第8章 遊郭編
そう言うしかなかった、が
鯉夏「……私は貴方にも居なくなって
欲しくないのよ、炭ちゃん。」
自身を心配してくれる鯉夏に
炭治郎自身も心を支えられたのだった。
そのまま何も言わず、頭を下げて
部屋から姿を消した炭治郎。
鯉夏「…! 何か忘れ物?」
何者かの気配に、鯉夏は襖の方を振り返る。
そこには……
堕姫「そうよ、忘れないように喰っておかなきゃ。
アンタは今夜までしかいないから。
ねぇ、鯉夏。」
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<炭治郎side>
炭治郎「(まずい、殆ど陽が落ちかけてる。
早く伊之助の所へ…。)」
屋根の上を伝って伊之助の所へ向かっていると
僅かに、何かの匂いがした。
炭治郎「(……匂いがする。甘い匂いが微かに…。)」
その匂いを嗅ぎ取れば、それは…
炭治郎「(鬼だ!!鬼の匂いだ!
近くにいる!!!)」
大変だ!!早く伊之助と合流しなくちゃ!!