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蒼き龍の逝きる意味

第8章 遊郭編


<NOside>

カァ カァ

鯉夏「もう支度はいいから御飯を食べておいで。」

幼い子1・2「はーい!」

トテトテと走りながら楽しげに笑い部屋を後にする
子供達を微笑みながら見送る鯉夏。

鏡にまた向き合うと、ふわっと部屋の中に
動く気配がした。

炭治郎「鯉夏さん。」

鯉夏の少し離れた後ろには隊服を着た炭治郎。

炭治郎「不躾に申し訳ありません。
俺は“ときと屋”を出ます。
お世話になった間の食事代などを
旦那さん達に渡して頂けませんか?」

そう言って、畳にスッとソレを置く。
鯉夏は突然現れた炭治郎に戸惑いながらも
会話を続けてくれた。

鯉夏「炭ちゃん…その格好は……。」

炭治郎「訳あって女性の姿でしたが、
俺は男なんです。」

真剣な顔で暴露するが

鯉夏「あ、それは知ってるわ。見ればわかるし…声も。」

炭治郎「……、えっ?」

驚くどころか、知っていたと言う鯉夏に
炭治郎が戸惑った。

鯉夏「男の子だっていうのは最初から
わかってたの。何してるのかなって
思ってはいたんだけど……。(汗」

炭治郎「( 'н' )(まさかバレていたとは…。)」

そんな炭治郎に鯉夏は軽蔑の目を向ける訳ではなく
まっすぐに見ていた。

鯉夏「事情があるのよね?
須磨ちゃんを心配してたのは本当よね?」

炭治郎「はい!それは勿論です!
嘘ではありません!」

鯉夏の問いかけにはっきりと答える炭治郎。
その目はまっすぐな意志を宿していた。

炭治郎「いなくなった人達は必ず助け出します。」

その真剣さ、まっすぐな意志を
感じ取った鯉夏は不安そうな顔から
少し顔を緩めた。

鯉夏「……、ありがとう。少し安心出来たわ。
…私ね、明日にはこの街を出て行くのよ。」

炭治郎「そうなんですか!!
それは嬉しい事ですね!」

炭治郎は心からの思いを伝える。

鯉夏「こんな私でも奥さんにしてくれる人がいて…
今、本当に幸せなの。
でも………だからこそ残していく皆の事が
心配でたまらなかった。
嫌な感じのする出来事があっても
私には調べる術すらない……。」

その顔からは本当に皆を心配する思いが
滲み出ていた。
そんな顔の鯉夏を炭治郎は不安にならないよう

炭治郎「それは当然です。どうか気にしないで、
笑顔でいてください。」
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