第8章 遊郭編
炭治郎「そうだ。しかも店に出入りしてないと
いう事は、鬼は中で働いている者の可能性が高い。
鬼が店で働いていたり、巧妙に人間のふりを
していればいる程、人を殺すのには慎重になる。
バレないように。」
そこまで言うと、伊之助も納得した。
伊之助「そうか…。殺人の後始末には手間が掛かる。
血痕は簡単に消せねぇしな。」
炭治郎「ここは夜の街だ。鬼に都合がいい事も多いが、都合が悪い事も多い。
夜は仕事をしなきゃならない。
いないと不審に思われる。」
だから、夜は不用意に動けず人を食べる事も
難しい筈。
そこを裏返せば、きっと……
炭治郎「俺は、善逸も宇髄さんの奥さん達も
焰さんも、皆生きてると思う。
そのつもりで行動する。必ず助け出す。
伊之助にもそのつもりで行動して欲しい。
そして絶対に死なないで欲しい。
それでいいか?」
真剣な顔をする伊之助にそこまで喋り、
まっすぐに見つめ返す。
伊之助「………、お前が言った事は全部な、
今俺が言おうとしてた事だぜ!!」