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蒼き龍の逝きる意味

第8章 遊郭編


伊之助「(コイツ…やる奴だぜ。
音がしねぇ…風が揺らぎすらしなかった…。)」

炭治郎「善逸と焰さんが来ないって
どういうことですか?」

炭治郎がそう問いかけると、振り返らぬまま
宇髄は口を開いた。

宇髄「お前達には悪い事をしたと思ってる。」

それを言うと、一呼吸置いた後
また話し出す。

宇髄「俺は嫁を助けたいが為に
いくつもの判断を間違えた。
善逸は今、行方知らずだ。
善逸と合流するように指示した鬼擬きは
それ以降、姿を現さない。
死んだか、逃げたかは知らねぇが、
ニ人共、昨夜から連絡が途絶えてる。」

その言葉に炭治郎、伊之助は言葉を失う。

ココ
宇髄「お前らはもう“花街”から出ろ。
階級が低すぎる。
ここにいる鬼が“上弦”だった場合、対処できない。」

宇髄は立ち上がるが2人を振り返らない。
その背中は反論を許さない雰囲気を滲ませていた。

宇髄「消息を絶った者は死んだと見倣す。
後は俺一人で動く。」

そんな宇髄に炭治郎は何かを言おうと
声を大きくする。

炭治郎「いいえ宇髄さん!俺達は……!!」

宇髄「恥じるな、生きてる奴が勝ちなんだ。
機会を誤るんじゃない。」

伊之助「待てよオッサン!!」

最後まで言わせず宇髄はそう言うと、
呼び止める伊之助の声さえ聞こえなかったふりして
フッと姿を消した。


炭治郎・伊之助「「………。」」

残された二人は追う事すら出来なかった。

炭治郎「俺達が一番下の階級だから
信用してもらえなかったのかな…。」

そう言うと伊之助は何言ってんだと言わんばかりに
こっちを向いた。
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