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蒼き龍の逝きる意味

第8章 遊郭編


<善逸side>

蕨姫「オイ、耳が聞こえないのかい。」

いつまでも反応しない俺に気を悪くしたのか
最早、問いかけですらない。

すると、いつの間にか襖に隠れるように
二人の女の子達が怯えながら
襖にしがみつきながら俺を庇ってくれた。

幼い子2「わ…蕨姫花魁…(怯」

幼い子3「その人は昨日か一昨日に入ったばかりだから…(怯」

その子達を振り返ると、物凄く顔が青い。
相当この蕨姫花魁…鬼が、怖いんだ。

鬼は少し止まった後、その子達を
睨みつけるように振り返り…

蕨姫「は?だったら何なの?」

と、一言きつく言い返した。
その冷えた怒りの籠った目と、声に
庇ってくれた子達は腰を抜かした。

守らなきゃ…!!

善逸「勝手に入ってすみません!
部屋がめちゃくちゃだったし、
あの子が泣いていたので…」

声を上げた俺を鬼が振り返った。
そして、俺の顔を見た途端更に眉間にシワが寄った。

蕨姫「不細工だね、お前。気色悪い…。
死んだ方がいいんじゃない?」

いや、確かに不細工だけども…
言い過ぎじゃない…?

蕨姫「何だいその頭の色!目立ちたいのかい!」

善逸「……。(汗」

蕨姫「部屋は確かにめちゃくちゃのままだね。
片付けとくように言ってたんだけど。」

そう言いながら泣く女の子の目の前に
立つ鬼。
何をするのかと思えば、女の子の耳を
左手で掴み、あろう事か立っている自分の
肩の高さまで持ち上げたのだ。

幼い子1「ギャアッ!(泣」

蕨姫「五月蝿い!ギャアじゃないよ!
部屋を片付けな!」

幼い子1「ごめんなさいごめんなさい!!
すぐやります許してください…!!」

耳がミチミチと音を立てて、
千切れているのか血が流れてきた。

それを見た時、もう耐えれなかった。

ガッ

善逸「……。」

蕨姫「……何?」

鬼は怖い、目の前のこいつが怖い…。
だけど、引く訳にはいかなかった。

善逸「手!放してください!」





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