第8章 遊郭編
<炭治郎side>
鯉夏「姉さんに続いて貴女も遊郭に
売られてきたの?」
炭治郎「は…はい。姉とはずっと手紙のやりとりを
していましたが、足抜けするような人ではないはずで…」
辛い、とても辛いっ!!
けど、これも情報収集のためっ…!
鯉夏「そうだったの……。」
炭治郎「…。(汗」
嘘だと感づかれたか……?
ハラハラしていると、鯉夏花魁が
口を開いた。
鯉夏「確かに私も須磨ちゃんが足抜けするとは
思えなかった。しっかりした子だったもの。」
悲しげな顔をしてうつ向く鯉夏花魁。
その顔には須磨さんを案じるような想いが
滲んでいた。
鯉夏「男の人にのぼせている素振りもなかったのに、
だけど日記が見つかっていて…
それには足抜けするって書いてあったそうなの。
捕まったという話も聞かないから
逃げ切れていればいいんだけど…。」
そこまで話を聞いて、鬼の仕業だと
確信した。
炭治郎「(これは鬼にとってかなり都合がいい。
人がいなくなっても遊郭から
逃亡したのだと思われるだけ…。
日記は恐らく偽装だ。)」
嫌な予感で頭が一杯になる。
炭治郎「(どうか無事でいてほしい…。
必ず助け出すから、須磨さん…!!)」
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<宇髄side>
ビュウ…
宇髄「(今日も異常なし。やっぱり尻尾を
出さねぇぜ。)おい、鬼擬き。」
リンッ…
焰「呼んだか。」
宇髄「ちゃんと任務してんだろうなぁ?」
焰「嗚呼。」
おいおい、こいつが任務放棄しねぇだと?
余程お館様にチクられたくないらしいな。
宇髄「外側からの情報はどうだ。」
焰「今の所、怪しい所は京極屋かときと屋だな。
京極屋の方には蕨姫花魁という奴が居て
性格が悪いらしく、いつも何人かは
泣かされているらしい。
人間を人間として見ていないような行動が
目に余るらしいが、旦那は蕨姫を擁護するだけらしい。
京極屋がでかくなったのもそいつの稼ぎだとか。」
中々情報を持ってきたじゃねぇか。
使えなくはねぇな。
宇髄「ほぉ、わがまま姫さんってとこか。
そいつの所にいる雛鶴の情報は?」
焰「今の所ない。余り深く聞くと
目をつけられるやもしれなかったからな。
それに、我妻善逸が内側から聞き出すだろう。」
まぁ、外から聞くより内側の方がより
安全に聞き出せるだろうな…。