第8章 遊郭編
<NOside>
【荻本屋】
女性1「どうよこれ!!」
女性2「きゃーーっすごい!」
女性1「変な風に顔を塗ったくられていたけど
落としたらこうよ!!凄い得したわ!
こんな美形の子安く買えて!!
仕込むわよォ仕込むわよォ!
京極屋の“蕨姫”やときと屋の“鯉夏”よりも
売れっ子にするわよぉ!」
厚化粧を拭かれた伊之助はただされるがまま
なすがままだった。
女性2「でもなんか妙にこの子ガッチリしてない?」
女性1「ふっくらと肉づきが良い子の方がいいでしょ!」
女性2「ふっくらっていうか
ガッチリしてるんだけど…」
そりゃそうだ、男の子だもん。
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【京極屋】
べんべんべべん!べべべべべん!
女性1「あ…あの子三味線うまいわね。」
女性2「そうね…凄い迫力。」
女性3「最近入った子?」
女性4「耳がいいみたいよ。一回聞いたら
三味線でも琴でも弾けるらしいわ。」
女性2「でも、不細工よねぇ…。」
女性3「よく入れたわねお店に……。」
女性1「あの子連れてきたのがもんの凄い
いい男だったららしいわよ。」
女性4「ホントに?見たかった!」
女性1「遣手婆がポッとなっちゃってさ。」
女性5「アタイには分かるよ。
あの子はのし上がるね。」
女性3「えぇっ?」
女性5「自分を捨てた男見返してやろうっていう
気概を感じる。そういう子は強いんだよ。」
女性3「そ…そうなんだ……。」
べんべべん!