• テキストサイズ

蒼き龍の逝きる意味

第7章 第7章 休養中編


<煉獄side>

話を最後まで聞き、俺は彼女が何故
朝日が嫌いなのかを理解した。

最終選別に合格し、帰ったその日の屋敷で
日に日に病気で衰弱しきった蒼治郎殿の
最期を見届けた時と朝日が同時に登り
焰は朝日が蒼治郎殿を連れて行ったのだと
思い、嫌いになった…。

煉獄「…そうだったのか。」

焰「鬼殺隊の希望の光である夜明けを知らせる
朝日を嫌うなぞ、おかしな話だろ…?」

煉獄「おかしくなんか無い!」

人それぞれに事情があるのだ、だから
君が朝日を嫌うことがおかしい訳ない!

そんな意味を込めて言い返すと声に驚いたのか
固まった彼女が目に入る。

煉獄「…あ、すまん。うるさかったか…。」

俺の声はデカいらしいからな…。
朝からこれでは、焰も耳が辛かろう…。

焰「…………ほ、ん…に、おか……いのか…?」

煉獄「む?」

小さく呟かれ、聞き取れなかった。
思わず、顔を近付けると聞こえなかったのを
察してくれたらしい焰はもう一度言ってくれた。

焰「…本当に俺は、おかしくないのか…。」

煉獄「うむ!おかしくなんか無いぞ!」

そう答えると、焰は太陽を仰ぎ見た。
その瞳は太陽の光を反射し、宝石のように輝いた。

煉獄「焰っ、太陽を直接見ると目が…!」

焰「本当は、俺の朝日を嫌うこの心は
ただの言いがかりだと…八つ当たりだと
分かっているんだ…。」

言葉が止まる。
何故なら、そう言う彼女の瞳からは
ポロポロと大粒の涙が溢れていたからだ。

焰「…知っているんだ。太陽が何も悪くない事を。
蒼治郎さんが、病気で息を引き取った時と
朝日が同時に登ったのはただの偶然で
あるという事を…、理解してる。」

煉獄「……ほむ…ら…。」

焰「…………ただ、俺は蒼治郎さんが
鬼のように、朝日で死んだように見えて…
嫌だったんだ…。だから………」

嗚呼…、そうだったのか……。
君は自分の育ての親が、暖かな昼間に
眠るように時を終えて欲しかったのか…。

そうだな、誰も薄暗い……夜明けと共に
逝って欲しくはないよな…。

俺達鬼殺隊からしてみれば、太陽…朝日は
鬼の活動を制限する、滅殺してくれる希望の光。

太陽は鬼を殺す、そう思うからこそ
君は自分の大切な人が朝日が登った時に
亡くなってしまったのだから、辛くなったのだろう。
/ 204ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp