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蒼き龍の逝きる意味

第2章 柱合会議編



女の子「こちらの手紙は元柱《・・》である鱗滝左近次様から
頂いたものです。一部抜粋して読み上げます。」

"━━━炭治郎が鬼の妹と共にあることをどうか
御許しください。禰豆子は強靭な精神力で人としての
理性を保っています。飢餓状態であっても人を喰わず
そのまま二年以上の歳月が経過致しました。
俄には信じ難い状況ですが紛れもない事実です。
もしも禰豆子が人に襲いかかった場合は
竈門炭治郎及び━━…鱗滝左近次 冨岡義勇が
腹を切ってお詫び致します。"

手紙の内容に俺は、周りは静かになった。
目頭が熱くなって、ポロリと暖かい何かが零れた。

不死川「…切腹するから何だと言うのか。
死にたいとなら勝手に死に腐れよ。何の保証にもなりはしません。」

煉獄「不死川の言う通りです!人を食い殺せば
取り返しがつかない!!殺された人は戻らない!!」

耳に届く冷たい言葉……。でも、怒りは湧いてこなかった。
人それぞれの考えに、口は出せない。

お館様「確かにそうだね。人を襲わないという
保証ができない 証明ができない。
ただ人を襲うということもまた証明ができない。」

お館様の言葉に傷だらけの男は驚き、黙った。

お館様「禰豆子が二年以上もの間人を喰わずにいるという
事実があり、禰豆子のために三人の者の命懸けられている。
これを否定するためには否定する側もそれ以上のものを
差し出さなければならない。」

不死川「……っ!」

煉獄「……むぅ!」

そこまで話が続くとふとお館様が俺たちから見て右に
顔を、視線を動かす。

お館様「焰《・》、君に任せていた任務の報告を皆に伝えておくれ。」

そうお館様が言った瞬間、柱の人たちから
嫌悪と気味悪がる匂いがした。

ザッ……

炭治郎「……!」

屋敷の裏から出てきた人を見て、思わず息を呑む。
左目に痛々しい傷跡、光の無い目。
口からチラリと見える鋭い八重歯。

炭治郎「(鬼……?いや、そんな匂いはしない。
寧ろ、冬の夜の匂いがする。)」

冷たい、と言うより静かな捕食者のようで、
それでいて不器用な優しい匂いだ……。

焰「…竈門炭治郎は鬼舞辻無惨と遭遇している。」

その瞬間、嫌悪と気味悪がる匂いが驚きに変わった。
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