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もしも蒼月潮が大人しめの女の子だったら……【うしおととら】

第1章 どうしてこんなことに……


「ヒヒヒヒッ人間が石喰いに勝てるとでも思うてか!!」

「ぅぐっ…」

 鎧武者の甲冑から、それは姿を現した。ぞわぞわと何百本もあるであろう脚を動かし、二つの頭が甲冑を破って出てきた。私の一番苦手な、蛇のようににょろにょろとした……

(虫……!!?)

「ムカデの変化か……女も槍を手放しちまったからフツーの人間に戻っちまったし、こりゃもう無理だな」

 オバケが結界の外に飛び出る。チラリと後ろを見ると、結界が閉じかけているようだった。痛みで言っていることはうまく聞き取れなかったが、早く出ないと結界が閉じてしまうことは分かった。

 自分の足元に目を向ける。槍さえ掴めれば…!!

 ドスッ!!

「あ゛っあ!?」

 石喰いのトゲが、槍を掴もうとした手を突き刺した。そのまま持ち上げられ、槍とは程遠い床へと叩きつけられる。もう、槍は掴めない。下半身は、もう、動かない。

「ここちよいなァ!ヒヒ!!」

 手が脚が、言うことを聞かない。なんて気持ち悪い感覚だ。視界の端に、既に石にされていた女子生徒たちの姿が目に入った。

 気持ち悪い空気が漂う空間。いるだけで吐き気がする。もう、仕方がない。

 麻子…真由子……

「…ッオバケ……!!おねがい…ッ」

「なんだよ!助けろなんて命令するんじゃねーだろーな!!ヤだねだからわしはやめとけって言ったんだろーがよ!」

「ちがっ…う。麻子ッ…たちを……外に、出して……」

 こんなところで、こんなやつに食わせたくないから…
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 こ、こいつ……!!

「なにー!?おまえアホかっ!他のやつのこと気にしてる場合かよ!」

 結界はもうすぐ閉じる。さっさと出ててめーだけでも助かりたいんじゃねーのか。


「返しても返しきれないッ…恩がある…から……
 ね、おねがいだから…オバケッ……グッ…」

 驚いた。あの女がわしにおねがいだとよ……あの槍でわしを脅してたやつが………



 ……気持ちいーいな~~~~~~!!!

 …でも


「一回だけだぞ!!」
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