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もしも蒼月潮が大人しめの女の子だったら……【うしおととら】

第3章 とどのつまりめんどくさい


「ただいまー、うしおじゃない。どうしたの?」

 ガラリと店の引き戸が開き、中村さんが中に入ってくる。出前が済んで帰ってきたのだ。

「ちょっと聞きたいことがあって…羽生礼子さんについてなんだけど」

「……やっぱり、なにかあったのね」

「え…?」

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 _____まえから付き合ってくれって言ってた男子が、次々と事故にあって……

「事故…」

 家への道を歩きながら、先ほど中村さんに聞いた言葉を思い出す。三年の田中さんはトラックにはねられ、七組の三谷くんは材木の下敷きでまだ入院中。石崎っていう三年の先輩もボールが顔に当たって失明するかもしれない……だって?

 ____トラックには人が乗ってなかったっていうし、ボールもどこから飛んできたか見当もつかない。どう考えても、おかしい。

 とらが頭に噛みついた気がしたけど、なぜかその時は絶対に食べられないというよく分からない自信があった。たぶん、槍を使っている私を食べたいのだと思ったから。…少し痛かったけど、羽生さんのことが気になって気になって、あまりそちらに注意は向かなかった。

 ふと、前方に誰かが立っているのに気がつく。

「ま、間崎さん……?」

 誰が立っているか分かった途端、びくりと体が震えた。かなり怖い顔でこちらを睨み付けているように見える。後ろを確認してみたけれど、この道は一本道。周りには私しかいない。間違いなく、私を睨んでいる。

「蒼月、てめー羽生に付きまとってんだってな……」

「そっ、そそそそれがなにか……」

「やめな!」

 ……この人もしかして…

「…っ嫌ですね、先輩…!」

 かなり怖かったけど、自分の考えに確信が持てたため、思いきって言い返してみる。……殴られるかもしれないけど。

「そうかよ……んじゃ、ぶっ飛ばすしかねーんだな」

 間崎さんはパンッと拳を合わせ、握りしめる。怖じ気づくのを我慢して、言葉を続ける。

「なんで、「羽生さんに付きまとうな」なんですか!」

「てめーの知ったことかよ」

 振りかぶる。泣くほど怖いけど、私は、間崎さんの目を見続けるのをやめなかった。



「…っ先輩…!羽生さんがひとりぼっち原因しってるんじゃないですか!?」
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