もしも蒼月潮が大人しめの女の子だったら……【うしおととら】
第1章 どうしてこんなことに……
ゴチンッ
「いてーっこら女!てめえ槍でぶつこたぁねえだろ!!」
オバケが凄みを利かせてこちらを威嚇(?)してくる。正直、かなり怖い。でも、こいつを世に放つわけにはいかない。せめて、父さんが帰ってくるまで……
オバケの鼻先に槍をちらつかせる。
「二人を食べたら、許さないから」
「…チッ」
オバケは舌打ちをして、それ以上何も言わなかった。とりあえずは諦めた…のかな?いや、諦めてないだろうな。500年閉じ込められてても、その精神が折れることはなかったんだ。_______二人は私が守らないと。
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チャイムが鳴り、一時限目の授業が始まる。一時限目は歴史だった。先生の長ったらしい話が始まった。だんだんと眠くなってくる。
_________中村さんが授業に遅れるなんて…珍しいな。
「(ボソッ)あの、オバケさん…こんな授業聞いてて楽しい?」
「ああ、すごくな。500年も退屈してたんだぞ、人間の話でも面白いわ」
なるほど、オバケの癖に知識欲はあるのか。どうやら500年の間何があったのかが気になるらしい。いけどんな態度でよく分からなかったけど…もしかしてすごく知的なやつなのでは……
「おい、女。そのオバケってのはやめろ。わしはそんなちゃっちい名前じゃねえ」
「……?じゃあなんて呼べば……あッ…!?」
キィイイイイイイイイイイイ________
あまりの衝撃に頭を押さえる。いきなり耳鳴りがしたと思ったら、急に音が大きくなって……槍が頭のなかに、何かを伝えようとしている……?
…………旧校舎!?
「どうした、蒼月?」
ドオオオオンと大きな音が鳴る。今度は外からだ。
__________先生に頼まれたことがあって……
ガタッ
「すみません、気分が悪いので保健室に行ってきます」
「あ、待て蒼月!」
槍を持って走り出す。後ろからオバケもついてきている。
麻子…!真由子…!無事だよね…?
「………っあ」
階段の踊り場に、誰かが座り込んでいる。あれは、麻子たちと一緒にいた子だ。泣きながら何事かボソボソと呟いている。ただ、首から下が……
「石になって…!」
「ほ~う、石喰いか!」
「石喰い?」